日にち 中秋の名月の日
場所 三条通り・采女神社・猿沢池
采女祭(うねめまつり)は、中秋の名月の夜に行われる古式ゆかしいお祭り。雅楽の調べにのせて、灯籠の光を受けた雅やかな舟が池に浮かぶ景色は、古都の風情満点です。
まず、夕方5時に三条通りでパレードが始まります。大きな扇が花で飾られた行列のメイン「花扇」や、そろいの衣装を着たお稚児さん、御所車に乗った「花扇使」や奈良時代の衣装をまとった人などの行列が、JR奈良駅から猿沢池のほとりにある采女神社へ向けて、ゆっくり進んでいきます。
行列が采女神社に着くと、花扇を奉納する神事が行われます。そして日も暮れた夜7時、祭りのクライマックス・猿沢池での神事が始まります。龍などの飾りが付いた、いかにも古風な極彩色の舟に、奉納した花扇や十二単を着た花扇使などを乗せて、池を2周します。池には灯籠がいくつも浮かんで、雅楽の調べも流れて雰囲気は最高潮。最後には、花扇を水面に浮かべます。
奈良時代、とても美しい采女(宮中に使える女官)がいて、天皇に気に入られていました。ところが、天皇が心変わりして、嘆いた采女は猿沢池に身を投げました。その霊を慰めるために、采女神社が建てられて、采女祭りが始まったとのこと。采女神社はとても小さな神社で、ふだんは門が閉まっていて観光客も素通りしているところ。そんな神社のお祭りにしては、なかなか盛大ですね。
雅やかな雰囲気を楽しめて、晴れていればお月見もできる。古都の秋にふさわしい、風情あるお祭りです。