日にち 5月2日
場所 東大寺天皇殿・大仏殿
聖武天皇祭は、東大寺や大仏建立の功労者、聖武天皇の命日のお祭り。色とりどりの衣装を着たお稚児さんや僧侶の行列が、大仏殿まで練り歩きます。舞楽や能の奉納があるほか、ふだん非公開の天皇殿が見られるのも魅力。
まず、朝8時から、東大寺本坊のところにある、聖武天皇をまつる天皇殿(聖霊殿)で法要が行われます。お経を読んだり散華をしたりするほか、献花や献茶もあって、11時半ごろまで続きます。ずいぶん長々とやる感じですが、この法要中だけ、いつもは非公開の天皇殿にお参りできます。中には入れませんが、建物の外から法要を見られるし、史跡にもなっている本坊周辺を見学できるいい機会です。
午後になると、華やかな練り行列が始まります。カラフルな衣装で着飾って造花を持ったお稚児さんをはじめ、雅楽を奏でる楽人、市女笠(いちめがさ)をかぶって垂衣をたらした物詣女(ものもうでおんな)や、法要を行う正装したお坊さんなどなど、総勢300人規模の行列です。境内のはずれにある県立新公会堂をスタートして、南大門をくぐって「メインストリート」を大仏殿まで練り歩きます。大仏殿に着いたら、大仏の前で法要。
大仏殿で法要をやっているころから、中門前の鏡池に作られた「特設水上ステージ」で、舞楽と能の奉納が行われます。ふだんから風光明媚な鏡池ですが、その真ん中で行われる古典芸能は、また風情ある眺めです。
東大寺や大仏を作った聖武天皇をしのびながら、春らしい華やかな練り行列を眺めるのが楽しい行事です。ただ、ゴールデンウイークだけに混雑は必至。