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仏様の種類(2)菩薩

菩薩(ぼさつ)は、悟りをめざして修行中でもう少しで如来になれるとか、如来が身近な姿で現れている、などの状態を表しています。お寺にまつられている数では、如来より多いくらい。如来と違って、いろいろな「アクセサリー」で着飾っていて、持ち物も多いのが定番です。

観音菩薩

菩薩のなかでも「メジャー度」はトップクラス。「観世音菩薩」「観自在菩薩」とも呼ばれます。「音」を「観」ずる、つまり我々の願いの声を聞いて救ってくれる菩薩です。「大慈大悲観世音菩薩」と唱えたりするように、慈悲をかけてくれるということで、広く信仰されているんでしょうね。

ひとくちに観音菩薩といっても、いろいろな種類があります。「1人1人に合った姿で救ってくれる」という特徴を表しているんでしょう。代表的なところでは

  • オーソドックスな「聖観音(しょうかんのん)」
  • 腕が25本(1,000本の場合も!)もある「千手観音(千手千限観音)」
  • 頭の上に小さな顔が並んでいる「十一面観音」
  • 腕が6本あって網を持っている「不空羂索(ふくうけんじゃく・けんさく)観音」
  • ほおづえをついて考え事をしている「如意輪(にょいりん)観音」
  • 頭に馬の顔が載っていて、髪が逆立っている「馬頭観音」

東大寺では、大仏さまの右手前に如意輪観音がまつられているほか、三月堂(法華堂)の本尊は国宝の不空羂索観音だし、二月堂には秘仏の十一面観音、三昧堂(ざんまいどう)にも立派な千手観音がまつられているなど、なかなか充実。興福寺南円堂の本尊も不空羂索観音で、年1回だけ見られます。

地蔵菩薩

観音菩薩と同じくらいまつられることが多い、メジャーな菩薩。弥勒菩薩が如来になる(お釈迦様が死んでから56億7千万年後!)までの間、天道・人間道・修羅道・畜生道・餓鬼道・地獄道の6つの世界を生まれかわり死にかわりし続ける、我々を救ってくれます。6つの世界それぞれに「担当」がいるので、よく「六地蔵」としてまつられています。子供の守り神でもあって、それでよくまつられているんでしょうね。

菩薩にしてはめずらしく、アクセサリーで着飾っていなくて、お坊さんのようなかっこうをしています。右手には願い事をかなえてくれるタマネギ型の「如意宝珠(にょいほうじゅ)」、左手にはシャンシャン音が鳴る杖「錫杖(しゃくじょう)」を持っているのが基本形。

どこのお寺でも境内に立っていることが多いですが、奈良では十輪院や福智院の本尊にもなっています。十輪院のお地蔵さまは、石仏龕(せきぶつがん)という石でできた入れ物に入っためずらしいもの。

文殊菩薩(もんじゅぼさつ)

「3人寄れば文殊の知恵」でおなじみの知恵の菩薩。卯年の守り本尊でもあります。お釈迦さまの弟子で、だれも問答でかなわなかった維摩居士(ゆいまこじ)という人と、唯一対等に問答できたとか。

右手には知恵をあらわす剣、左手にはお経を乗せた蓮華を持っていて、獅子に乗っているのが基本パターン。単体でまつられるほか、釈迦如来のお供として「釈迦三尊像」に加わることも多いですが、奈良公園周辺には無いようです。興福寺の東金堂に、本尊の薬師如来といっしょに国宝の文殊菩薩がまつられていますが、剣や蓮華などは何も持っていません。

普賢菩薩(ふげんぼさつ)

あまり聞きなれないかもしれませんが、けっこういろいろなところでまつられている菩薩です。「普(あまね)」く「賢」いという名前は、「世界中どこにでも現れて救ってくれる賢者」というような意味。辰年・巳年の守り本尊です。

たいていゾウに乗っていて、文殊菩薩といっしょに、釈迦三尊像に加わるパターンも多いです。奈良公園周辺ではあまり見かけませんが、東大寺の三昧堂(ざんまいどう)に小さな普賢菩薩がまつられています。ふだんは厨子(ずし)の扉が閉まっていますが、堂守の方が開けてくれるようです。

虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)

これもどちらかというとマイナーな菩薩。ただ、丑年・寅年の守り本尊なので、あてはまる人にとっては大事ですね。宇宙のような無限の智恵や慈悲を持った菩薩、というような意味で、無限の記憶力を授けてくれる仏様としても信仰されています。

右手は剣を持っているか手のひらを下向きにこちらに向けているかのどちらかで、左手に如意宝珠を持っているのが基本。奈良公園周辺では、東大寺の大仏さまの左手前にまつられていますが、左手をこちらに向けていて、「基本形」とはだいぶ違う感じ。

弥勒菩薩(みろくぼさつ)

それほど多くまつられているわけではないですが、かなり広く信仰されてきた菩薩です。お釈迦さまの次に仏になると言われていて、目下修行中だそうです。ただ、その修行が終わるまでに、お釈迦さまが死んでからなんと56億7千万年(5億6,700万年の説も)かかるとか。

弥勒菩薩としては、右手でほおづえをつく「半跏思惟(はんかしい)像」が有名ですが、56億7千万年後の姿を「先取り」して、弥勒如来・弥勒仏としてまつられることも多いです。奈良国立博物館にある東大寺の弥勒如来(重要文化財)や、年2回公開される興福寺北円堂の国宝・弥勒仏がその例です。

日光菩薩・月光菩薩(がっこうぼさつ)

単独でまつられることはまずなくて、薬師如来のお供として「薬師三尊像」を構成します。ただ、東大寺三月堂(法華堂)では、どういうわけか不空羂索観音のお供としてまつられてきました。今は東大寺ミュージアムで見られます。

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