吉城川(よしきがわ)は、若草山と春日山のあいだから東大寺の南を流れる小川。東大寺の表参道にかかる橋のところや、その東側の川沿いは、紅葉や桜が楽しめるところです。
東大寺の南大門や大仏殿のほうにまっすぐ続く道は、奈良でも一番人が多い「観光のメインストリート」。いつも観光客や修学旅行生でごったがえしています。
この道を歩く大勢の人たちは、みんな南大門の手前で橋を渡るんですが、橋や川に気づいている人はどれくらいいるんでしょうか。この川が吉城川。ちゃんと名前を書いた石柱も建っています。水量の少ない小川で、ときどきシカが降りて休んでいたり、「河原」でお弁当を食べている人もいます。
この吉城川沿いが、秋には見事な紅葉に彩られます。この時期ばかりは、足を止めて見入る人も多いんじゃないでしょうか。橋の上から眺めると、「庭園」のようでおもむきがあります。川沿いに東側に歩いていくと、モミジの並木になっていて、これもまた見事。まわりにはベンチやあずまやがあるほか、春日野園地の芝生の広場もあって、座ってのんびり眺めたり、モミジを眺めながらお弁当を食べたりできます。
吉城川は奈良公園でも代表的な紅葉スポットのひとつ。紅葉の時期に東大寺に行ったら、南大門や大仏殿へ急ぐ前に、ぜひ吉城川の紅葉を愛でていってください。