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仏様の種類(3)明王

明王(みょうおう)は、インドの神様が仏教に取りいれられて、仏のかわりに我々を救ってくれる存在。お寺の本尊になることは少ないですが、けっこうよくまつられています。たいてい怒った怖い顔をしていて、火が燃えていたり、髪が逆立っていたりと、如来や菩薩にはない異様な雰囲気。

不動明王

明王の代表選手。お寺で見かける明王は、ほとんど不動明王です。とりあえず不動明王だけ押さえておけば事足りる、といってもいいでしょう。仏の教えを信じようとしない強情な者を無理やりにでも救おうとする、大日如来の化身(けしん)と言われたり、釈迦が悟ったとき、瞑想中に襲ってきたたくさんの「悪魔」をやっつけた「降魔(ごうま)の姿」と言われたりします。酉年の守り本尊。

明王特有の「憤怒の相(ふんぬのそう)」=怒った顔をしていて、口からキバを出して唇をかんでいます。髪の毛は両脇で束ねていて、背中の後ろには火が燃えていて、右手に剣、左手に網を持っているスタイル。こういう見た目の特長には、1つ1つ意味づけがあります。

不動明王は、護摩のときの本尊として特に重要な明王。ふつうのお堂にまつられることもありますが、護摩をたくお堂には、必ず真ん中にまつられています。興福寺には、南円堂の前に小ぢんまりしたさりげない不動堂があって、すすけた不動様を見られます。東大寺は、二月堂よりさらに高い、境内はじっこの目立たないところに不動堂があるほか、東大寺ミュージアムに重要文化財の不動明王あり。ならまちの十輪院にも重要文化財の不動明王がまつられていて、毎月8の付く日だけ見られます。

五大明王

不動明王の他に、降三世(ごうざんぜ)明王・金剛夜叉(こんごうやしゃ)明王・軍茶利(ぐんだり)明王・大威徳(だいいとく)明王も「重要な明王」とされていて、5体セットで「五大明王」と呼ばれます。不動明王以外は、単独でまつられることはほとんどなくて、いつもだいたいセット。不動明王を除いて、みんな腕が6本、目が3つあります。

密教のお寺でよく見かける仏様で、奈良公園周辺ではほとんどありません。国立博物館で、小さな重要文化財の五大明王を見られます。

愛染(あいぜん)明王

不動明王よりずっと少ないですが、ときどき見かける明王です。仏教ではよくないものとされる、煩悩とか愛欲の強いパワーを、悟りへの向上心に変えてくれるご利益があるとか。腕が6本、目が3つあって、背景は大きな丸、体はたいてい赤く塗られています。なかなかエキゾチックな雰囲気です。

国立博物館で、色が鮮やかに残った重要文化財の愛染明王を見られます。東大寺の鐘楼のところにある俊乗堂にも、重要文化財の愛染明王がまつられていますが、年2回だけの公開。

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